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賃貸の更新料の意味がわからない人へ|なぜ払う?相場・交渉まで宅建士が解説

賃貸の更新料はなぜ払うのか悩む男性のイラスト。相場と交渉のコツを宅建士が解説する記事のアイキャッチ
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更新の通知が届き、家賃とは別に1か月分を払うことに納得できない方は多いはずです。

結論、更新料は家賃を低く抑える代わりの対価です。

2011年の最高裁判所判決でも、原則有効と判断されています。

横浜在住25年・宅建士の私が、意味から相場・交渉・回避まで一気にまとめます。

目次

賃貸の更新料とは?意味がわからないと感じる理由

賃貸の更新料とは契約更新時に借主が貸主へ払う一時金であることを示す図解。2年ごとの契約更新の流れをイラストで説明

更新料とは、契約更新時に借主が貸主へ払う一時金です。

家賃の前払い契約継続の対価という複合的な性質を持ちます(最高裁判所 平成23年判決)

「家賃を払っているのになぜ」と感じるのは自然なことです。

まずは更新料の正体と、もやもやの理由を分けて見ていきます。

更新料とは

更新料は、賃貸借契約を更新して住み続けるために借主が貸主へ支払うお金です。

多くは2年ごとの更新時に発生し、相場は家賃1か月分が目安になります。

法律に「更新料を払え」という直接の定めはなく、契約書に記載があるときに支払い義務が生じます

つまり更新料は全国一律のルールではなく、契約と地域の慣行で決まる費用です。

東京で暮らしていた頃、更新月に届いた請求を見て固まった記憶があります。

なぜ「二重取り」のように感じるのか

「家賃を払って住んでいるのに、更新でまた払う」のが、二重取りに感じる最大の理由です。

実際にYahoo!知恵袋でも、住み続けるだけで家賃1か月分を余分に払う意味がわからない、という読者の声が見られます。

ただし、これは制度の趣旨を知ると見え方が変わります。次章で「なぜ払うのか」を最高裁判決から説明します。

賃貸の更新料を払う意味・理由は?【最高裁判決】

賃貸の更新料を払う意味を表す図解。毎月の家賃を低く抑える代わりに更新料を払う仕組みを天秤で説明

更新料を払う意味は、毎月の家賃を低く抑える代わりの対価だからです。

2011年の最高裁判所判決でも、更新料は原則有効と判断されました。

ここでは貸主・借主それぞれにとっての意味と、法的な裏づけを順に見ていきます。

大家にとっての意味

大家にとって更新料は、家賃収入を補い空室や滞納のリスクに備える収益です。

2年ごとに契約を見直すことで、長期の滞納者を整理しやすくなる面もあります。

家賃を低めに設定しても、更新料で収益を確保できる仕組みになっているわけですね。

入居者にとっての意味

入居者にとっての意味は、毎月の家賃が低めに抑えられている点です。

更新料がある物件は、その分だけ月額家賃が安く設定されているケースがあります。短期で引っ越せば更新料はかからないため、長く住む人ほど負担を感じやすい構造です。

2年で1か月分なら、月あたり家賃4%ほどの上乗せ。家計では小さくない額です。

最高裁判所は更新料を「原則有効」と判断

賃貸の更新料は、2011年の最高裁判所判決で原則有効と判断されています。

最高裁判所 平成23年7月15日判決(民集65巻5号2269頁)は、更新料を「家賃の補充・前払い、契約継続の対価などの複合的な性質を持つお金」と位置づけました。

そのうえで、契約書に一義的かつ具体的に記載され、金額が高すぎるなどの事情がなければ消費者契約法第10条に反して無効とはいえないとしています。

逆に言えば、契約書の記載があいまいだったり、著しく高額だったりする場合は、無効と判断される余地が残ります。

宅建士として言うと、争点は「契約書に明確に書かれているか」。
まず契約書を確認しましょう。

賃貸の更新料の相場は?何年ごとに払う?

賃貸の更新料の相場と周期を示す図解。周期はおよそ2年ごと、相場は家賃1か月分で地域や物件により異なることを説明

更新料の相場は家賃1か月分が最も多く、2年ごとに発生します。

国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」でも、1か月分が最多です。

全国の相場、発生する周期、そして横浜・神奈川の事情を順にまとめます。

相場は家賃1か月分

更新料の相場は、家賃1か月分が最も一般的です。

国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、更新料を支払う世帯では家賃1か月分が最も多くなっています。半月分や2か月分のケースもあり、契約によって幅があります。

金額は契約書で決まるため、自分の更新料は必ず契約書で確認するのが基本です。

何年ごとに発生する?

更新料は2年ごとに発生するのが主流です。

これは借地借家法第29条第1項で「1年未満の契約は期間の定めがないものとみなす」とされ、1年契約が使いにくいためです。

結果として2年契約が定着し、更新も2年ごとが多くなっています。

一部に1年更新の物件もあり、その場合は更新の周期が短くなります。

横浜・神奈川の更新料事情

神奈川県は、全国でも更新料の慣行が特に強い地域です。

国土交通省の2007年調査では、更新料を徴収する割合は神奈川県で90.1%にのぼり、東京都の65.0%を上回りましたLIFULL HOME’S掲載)

やや古い調査ですが、地域差の傾向を示す代表的なデータです。神奈川では家賃1か月分か半月分のケースが多く見られます。

私が住む横浜市内の1K(家賃7.6万円)でも更新の設定があり、横浜で部屋を借りるなら更新料は前提に考えるのが現実的です。

横浜の単身向け家賃は6〜7万円台が中心で(SUUMO 横浜市の家賃相場)、家賃7万円なら更新料は約7万円が目安になります。

地域更新料の傾向
神奈川県徴収割合が高い。1か月分〜半月分が多い
東京都・千葉県2年ごとに1か月分が多い
大阪府など関西更新料がない物件も多い
※出典:国土交通省 2007年調査(LIFULL HOME’S掲載)をもとに作成。

横浜で25年暮らした実感でも、更新料ありの物件は普通にあります。最初の想定が安全です。

賃貸の更新料を払わないとどうなる?

賃貸の更新料を払わないとどうなるかを示す図解。滞納の発覚から催促、保証人への連絡、契約解除の可能性、退去・明け渡し請求までの流れを説明

更新料を払わないと、契約解除退去を求められるリスクがあります。

契約書に更新料の定めがあれば、原則として支払い義務があります。

ただし「払わない=即退去」ではありません。リスクの中身と、退去を選ぶ場合の注意点を見ていきます。

滞納扱い・契約解除のリスク

有効な更新料を払わないと、滞納と同じ扱いになり、契約解除につながるおそれがあります。

未払いが進むと、次のような流れになりがちです。

  • 更新料の未払いが続く
  • 貸主から督促・支払いの請求が来る
  • 支払わないと契約解除を通知される
  • 最終的に明け渡しを求められることがある

ただし、不払いだけで直ちに解除になるわけではなく、貸主と借主の信頼関係が壊れたと判断される程度かどうかが問われます。

ゴネるより、まず筋を通して相談を。感情的な不払いは立場を悪くするだけです。

「払わず退去」を選ぶときの注意点

更新を機に退去するなら、退去日と更新日の前後関係を必ず確認しましょう。

更新日をまたぐと更新料が発生する場合があり、解約予告期間(多くは1〜2か月前)も契約書で確認が必要です。詳しくは賃貸の更新料を払わずに退去する方法で解説しています。

賃貸の更新料は交渉・減額できる?事務手数料は断れる?

賃貸の更新料の交渉方法を示す図解。減額交渉と分割交渉の2つの方法と、現状確認・相談・特約や地域性をふまえた交渉のポイントを説明

更新料は、減額や分割の交渉ができる場合があります。

更新事務手数料も、内容によっては見直しを求められます。

ここでは交渉の進め方と、更新料とは別物の「事務手数料」の正体を整理します。

減額・分割を相談する方法

更新料の交渉は、「住み続けたい意思」を伝えたうえで相談するのが基本です。

交渉の前に、次の3点を確認しておくとスムーズですよ。

  • 契約書に更新料の条項が明記されているか
  • 相場(家賃1か月分)と比べて高すぎないか
  • 物件の空室期間が長くないか

退去をちらつかせるより、長く住む優良な入居者であることを示すほうが、貸主も応じやすくなります。一括が難しいときは、分割の相談も可能です。

更新料の相談は珍しくありません。低姿勢で「続けて住みたい」と伝えるのがコツです。

更新料と更新事務手数料は別物

更新事務手数料とは、更新手続きの事務に対して管理会社などへ払う手数料

更新料とは別物です。

更新料が貸主への対価であるのに対し、事務手数料は手続きの手間に対する費用です。

火災保険の更新料や保証会社の更新料も、更新時に別途かかることがあります。

「何にいくら払うのか」を内訳で分けて確認すると、納得して支払いやすくなります。

賃貸の更新料は返ってくる?更新料なしの物件もある?

賃貸の更新料は退去時に戻ってこないことを示す図解。支払った更新料は返金されないと説明

更新料は、退去時に返ってくるお金ではありません。敷金とは性質が違い、戻らない費用です。

ここでは返らない理由と、次回以降の負担を減らす「更新料なし物件」という選択肢を見ていきます。

更新料は返ってこない

更新料は対価として支払うお金のため、退去時に返ってきません。

一方で敷金は、賃料の滞納などに備えて預けるお金で、退去時に未払い分を差し引いた残りが返ってきます民法第622条の2

性質が違うため、扱いも変わります。

費用性質退去時に返る?
敷金債務の担保として預けるお金返る(控除後の残額)
礼金貸主へのお礼(対価)返らない
更新料契約継続の対価返らない
※民法第622条の2、最高裁判所 平成23年判決をもとに作成。

更新料なし物件という選択肢

次回以降の更新料を避けたいなら、更新料なしの物件を選ぶのが有効です。

神奈川は更新料ありが多い地域ですが、探せば更新料なしの物件も見つかります。

初期費用や月額家賃とのバランスで選ぶのがポイントです。物件探しのコツは一人暮らしの物件探しのコツでまとめています。

横浜でも更新料なしの物件は探せばあります。長く住む前提なら効いてきますよ。

更新料に関するよくある質問

賃貸の更新料に関する疑問や不安を参考にしてみましょう。

更新料は必ず払わないといけませんか?

契約書に更新料の定めがあれば、原則として支払い義務があります。

法律に直接の定めはありませんが、契約に記載された有効な更新料は支払う必要があります。

未払いが続くと、契約解除のリスクがあります。

更新料に消費税はかかりますか?

居住用住宅の更新料は非課税です国税庁 No.6225。事業用として借りる場合は課税されます。

なお、更新事務手数料は手続きの対価のため、課税される場合があります。

更新料を払うタイミングはいつですか?

更新月の1〜2か月前に通知が届き、更新日までに支払うのが一般的です。

金額や期日は契約書と更新通知で確認できます。まとまった額になるため、早めに資金を準備しておくと安心です。

更新料が払えないときはどうすればいいですか?

まず管理会社へ早めに相談し、分割払いを打診しましょう。放置が最もリスクの高い対応です。

事情を伝えれば、支払い方法を調整してもらえる場合があります。

法定更新でも更新料は払いますか?

契約書に法定更新時も更新料を払う旨が明記され、金額が妥当なら請求され得ると解されています。

ただし裁判例が分かれる論点です。自分の契約書の記載を確認しましょう。

まとめ:賃貸の更新料の意味がわからない人が知っておくべきこと

更新料は、家賃を低く抑える代わりの対価で、原則有効な費用です。

  • 更新料は契約更新の対価。家賃1か月分・2年ごとが目安(国土交通省 令和5年度調査)
  • 2011年の最高裁判所判決で原則有効と判断(契約書の明記が前提)
  • 神奈川は更新料の慣行が強い地域(2007年・国交省調査で90.1%
  • 払わないと契約解除のリスク。減額・分割の交渉余地はある
  • 更新料は返ってこない。なし物件を選べば次回の負担を回避できる

更新のたびの出費を抑えたいなら、契約や物件選びの段階から手を打つのが近道です。関連記事もあわせて参考にしてみてくださいね。

この記事の執筆者

だいき

  • 宅地建物取引士(宅建士)
  • 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
  • 不動産ライター歴3年・大手不動産メディアライター経験あり
  • 不動産記事執筆数300本以上
  • 横浜在住25年

参考文献

1)裁判所「最高裁判所 平成23年7月15日判決(民集65巻5号2269頁)」 2)国税庁「No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など」 3)国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」 4)e-Gov法令検索「消費者契約法」「借地借家法」「民法」 5)LIFULL HOME’S「地域によって違う!?賃貸借契約における更新料」(国土交通省2007年調査を掲載)

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